Poor Unfortunate Souls・The Little Mermaid (1989)

【 学習ポイント・ダークな「L」 】

英語の「L」は、登場する位置により、明るい「L」と暗い「L」の二種類の音で発音されます。 音節の最初の「L」は、明るくはっきり発音されるため「Clear L」と呼ばれます。一方、音節の中・音節の最後の「L」は、弱く曖昧に「ゥ」や「ォ」のように暗く発音されるため「Dark L」と呼ばれます。歌詞の繰り返しがほとんどなく、アースラがアリエルをそそのかして早く声を渡すようにまくし立てる場面なので、早口で連結も非常に多くなっています。全体的にはスローテンポなバーレスク調で「ズンチャチャ ズンチャ」というリズムに歌詞を詰め込んでいます。このリズムに歌詞が収まるように、連結を意識して歌ってみましょう。圧巻は最後の以下の部分で、歌のタイトルにもある「Soul」と韻を踏む「toll, scroll, roll」がドラマティックな歌詞の中で効果的に出てきますので、これらの語を意地悪に歌うとアースラ感を出せるでしょう。ちなみに最後の「The boss is on a roll」は「全ては私の思いのままよ」のような意味で「on a roll」は「絶好調!」の意味があります。

1990年代のディズニー第二黄金期(The Little Mermaid, Beauty and the Beast, Aladdin, The Lion King, Pocahontas・・)の最初のvillains となるアースラが、アリエルの声と引き換えに足を与える一部始終を、怪しいバーレスク調の音楽に乗って歌います。アリエルは船が難破したときに命を助けた陸の王子エリックに会いたい一心で魔女アースラに相談に来ます。ちなみにアースラは父親トリトンの姉で7人姉妹の末娘でしたが、醜い姿だったため、父親の愛が欲しかったため姉たちを次々に殺した罪でトリトンに王国を追放された過去があり、トリトンや自分と同じ末娘なのに可愛いアリエルを憎んでいました。さて、アースラは声なしでアリエルが王子の心を掴むことなど無理と踏んで、3日目の日没までに王子から真実の愛のキスを受ければ晴れて人間になれるが、そうでなければ、自分の奴隷になるという条件で足を与えます。この歌の最後の場面で、アリエルが「アアアー」と美しい声で歌い、アースラがその声を奪った直後にアリエルの尾ひれが裂けて足になり、友達のフラウンダーとともに、水上に上がる一連のシーンは迫力の音楽と映像でこの映画の最大の見どころです。先日公開された実写版でも水上に上がるシーンが忠実に再現されています。アンデルセンの原作では、恋は実らず、海の泡と消えてしまう人魚姫でしたが、果たしてアリエルはアースラがこの歌で歌うようにその可愛い「looks とbody language」だけで王子の心を掴むことができるのでしょうか。

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