英語の会話や歌では、隣り合った音同士が発音しやすいように変化することがあります。これを「同化」と言います。この曲には / t / の次に半母音の / j / が来たとき連結して融合同化する「what you’re = ワッ チョー」,「at your = アッ チョー」が繰り返し出てきます。これらの半母音で連結する音を聞き取り、発音する練習をするといいでしょう。
「Nowhere Man(ノーウェア・マン)」は、The Beatlesが1965年にリリースしたアルバム『Rubber Soul(ラバー・ソウル)』に収録されている楽曲です。作詞・作曲はジョン・レノン(クレジットはレノン=マッカートニー)。ジョン自身が深い内省と孤独感に包まれていた時期に書かれた、ビートルズとして初のラブソングではない哲学的・社会的テーマの曲とされています。歌詞は、人生の目的を見失い、自分の居場所がない男(Nowhere Man)について語られており、実はこの“Nowhere Man”こそが当時のジョン・レノン自身を投影したキャラクターであるとも言われています。美しい3声のハーモニー(ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン)と、トレブリーなギター・サウンドが印象的で、サイケデリック時代への入り口とも言える作品です。
「Nowhere Man」は当初、イギリスではシングルカットされていませんでしたが、アメリカや他国では1966年にシングルとして発売され、全米Billboard Hot 100で最高3位を記録するヒットとなりました。また、1968年に放送されたアニメ映画『Yellow Submarine(イエロー・サブマリン)』でもこの曲が使用され、「孤独で取り残されたキャラクター “ジェレミー(Nowhere Man)”」の登場シーンを象徴する楽曲として印象的に使われています。現在でも、自己探索や内面の孤独を描いた先駆的なポップソングとして評価が高く、音楽ファンや批評家の間で「Rubber Soul」時代の精神的転機を象徴する曲として語り継がれています。