子音で終わる単語の次に、母音や半母音 / h / で始まる単語が来て、それらが一つの意味の塊を成すとき、音の連結(リンキング)が起こります。この曲には語尾の子音と母音で連結する「There are = ゼ ラ」,「But of = バ ロブ」,「There is = ゼァ リズ」,「When I = ウェン ナイ」,「think of = スィン コブ」,「I’ll often = アイ ロッフン」,「stop and = ストッ プン」などが出てきます。これらの連結する音を聞き取り、発音する練習をするといいでしょう。
1965年、ビートルズ6作目のアルバム「Rubber Soul」に収録の曲で、基本的にはジョン・レノンの書いた曲。このアルバム「ラバーソウル」では、それまでのリバプールサウンド(リバプールはビートルズメンバーの故郷)からの脱却を意図して、曲作りに新しいサウンドを試みている。「ノルウェーの森」ではインドの弦楽器シタールを使い、「ミッシェル」や「ガール」ではフレンチ風のギターラインを入れたり、そしてこの「In My Life」では間奏にバロック調のピアノソロが入っている。弾いているのは5人目のビートルズと言われたプロデューサーのジョージ・マーチン。歌詞はジョン自身の人生を振り返ったもの。発売当時はそれほどヒットした曲ではないが、2分という短さを感じさせない、音楽要素が詰め込まれたジョンを代表する名曲である。
発音面では、この曲では A and B というフレーズが繰り返し出てくるが「and」「アンド」ではなく「ン」として、直前の語の語尾の子音と連結する音が特徴である。例えば「Lovers and friends では ラバ ザン フレンズ」,「dead and~ では デー ダン」,「I’ll often stop and think about them では、ストッ プン」のように聞こえる。これ以外もこの歌には「and」が多用されているが「アン」と発音されているものもいくつかある。日常会話でも同じく「bread and butter」や「come and go」のようなセット表現では「and」は「ン」と発音されてリズムを整えていることが多い。