【 学習ポイント・フラップ現象 】
英語では単語間や音節で / t / や / d / が母音に挟まれる形になると / t / や / d / は「ラ行音」に変化(フラップ現象 = Flap)します。この曲の印象的な音声変化は、やはり「Ah, look at all the lonely people」の「look at all = ル カ ロー」の音連結と言える。「At all 」では / t / がラ行音に変化して連結している。この歌詞はいわゆる物語なので、歌詞の重複が少ないので、とにかくこのフレーズの発音をマスターしよう。
「Eleanor Rigby(エレナ・リグビー)」は、ポールが考案した架空の孤独な老人女性の名前。そこに「Father McKenzie(マッケンジー神父)」が絡んでくる。それまでのポップ路線から一転、孤独な老人の物語を題材にした本作は当時の音楽シーンにとって衝撃的だったと言える。
作詞・作曲のほとんどはポール・マッカートニーによるもの。弦楽八重奏の伴奏を付けたのはプロデューサーのジョージ・マーチン。ポールの曲ではイエスタデイの伴奏も弦楽奏だったが、エレナ・リグビーの方がスタカートで深刻な演奏となっている。発売は1966年、7作目のアルバム「リボルバー」に収録されている。音楽的にも斬新な名曲である。