Back In The U.S.S.R.・The Beatles

【 学習ポイント・一つの / n / に同化する / n+t / 】

英語の会話や歌では、/ n / の後に / t /, / d /, / th / が続き / n+t /, / n+d /, / n+th / になると、それぞれ同化して一つの / n / として発音されることがあります。Nipponglishでは、この現象を「nt同化」と呼びます。この曲には、繰り返し出てくる「Back in the U.S.S.R. 」の「Back in the = バーッ カ ナ」と歌われています。まず「back in」の「in」が弱形発音で ア(ə曖昧母音のシュワ)となり / k / と連結して「カ」となり、次に「in」の / n / と「the」の / th / が同化して / n / となった結果「バッ カ ナ 」という発音になり、歌のリズムに合わせて最終的に「バーッ カ ナ」となっています。カタカタ英語のままの「バック イン ザ」では絶対に歌えない歌詞となっています。なお、全体を通して曲調も速く、また固有名詞も多く出てくるため、ビートルズにしては★4つと難易度の高い曲といえます。

1968年リリースのアルバム「ザ・ビートルズ」のオープニング曲。ちなみに、青版Disk2 のオープニング曲にもなっている。ポール・マッカトニーの作詞作曲でボーカルもポール。ポールによると、「アメリカでの長期任務を終えて、ソビエト連邦に帰国したロシア人スパイの視点で書かれた曲」とのこと。曲調は前半がアメリカのギタリストで歌手のチャック・ベリーの Back in the USAから、後半はビーチボーイズのパロディーとなっている。さらに、歌詞にはレイ・チャールズのGeorgia On My Mindも借用された遊び心満載の一曲となっている。

和訳歌詞を見る