無声の破裂音 / t / は、登場する位置と他の子音や母音との組みわせにより様々に音が変化します。英語をマスターしようとする人にとって、変幻自在に変化する / t / は、悪魔の / t / と言えますね。
しかし、悪魔の / t / の音変化は、すべて規則正しいルールに則っています。Nipponglish(ニッポングリッシュ)のカナ記号で、悪魔の / t / の攻略法をビジュアルで解説していきましょう。
悪魔の / t / 攻略ルール
英語の / t / は、破裂音と呼ばれ、音節の最後、語尾や文末、子音の前にあると破裂しないことがよくあります。ただし、破裂する準備の「閉鎖」はします。/ t / が語尾や文末にあると直前の母音が急激に止まり、日本語の促音の「っ」に似た音になります。日本語でも最近は「寒っ」「高っ」などと言いますが、英語もこれと似た表現だと考えましょう。
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語尾の / t / の次に母音で始まる音節や単語が続く場合、/ t / と母音が連結して一塊のチャンクとして発音されることがあります。
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/ t / の前に子音がある場合 / t / は次のフラップ現象を起こさず、次の母音と連結して音が変化します。有声の破裂音 / d / も同様に連結します。
音節の最後や語尾の/ t / が母音に挟まれたとき、ラ行音に変化することがあります。この現象をFlapまたは弾音化といいます。/ d / も同じ条件でFlap現象を起こしラ行音に変化します。
● 単語内で / t / が母音に挟まれ、後ろの母音にストレスがないとき
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● 単語の並びで / t / が母音に挟まれたとき
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● 単語間の連結で / t / が母音に挟まれたとき
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英語では、隣り合った音同士が発音しやすいように変化することがあります。これを「同化」といいます。 can’t you や that you のように / t / の次に「ユ」(半母音の / j / )が来た時に、別の音「チュ」に変化します。この同化現象を「融合同化」といいます。他「ヤ」「ヨ」も同様に、「チャ」「チョ」になります。
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/ n / の後に / t / が続き / n+t / になると、同化して一つの / n / として発音されることが、アメリカ英語ではよくあります。
● 単語内の / n+t / 同化
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● 単語間の / n+t / 同化
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「 Manhattan や cotton 」のようにスペルが「t+ 母音+n」になり、母音が省略され / tn /になると / t / は口腔内の閉鎖を維持しながら鼻腔へ空気が開放され弱い鼻音として発音されます。鼻づまりのときに、鼻をクンクンさせる感じです。
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/ tr / は、二つの子音が一つの子音として発音される二重子音(子音結合)です。 / t / と / r / の間に母音を入れて「トライ」と言わないようにしましょう。
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/ l / の前の / t / は、話者のスピードにより様々な音で発音されます。例えば「little」は「リトル」「リトゥ」「リロ」「リル」などです。これは / l / が / t / の後にあると「オ」や「ウ」のように母音(dark-L)に似た音になるため / t / がフラップするからです。
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