英語では単語間や音節で / t / や / d / が母音に挟まれる形になると / t / や / d / は「ラ行音」に変化(フラップ現象 = Flap)します。この曲のタイトル「Say Goodbye To Hollywood」の「Goodbye To Hollywood」の「To」は、単語間で母音に挟まれて「Goodbye To Hollywood = グッバイ ル ハリウード」と歌われています。このフラップする「To」の音を聞き取り発音する練習をするといいでしょう。
「Say Goodbye to Hollywood(セイ・グッバイ・トゥ・ハリウッド)」は、アメリカのシンガーソングライター「Billy Joel(ビリー・ジョエル)」 が1976年に発表した楽曲で、アルバム「Turnstiles(ターンスタイルズ)」に収録され、この曲は、彼がロサンゼルスでの生活を終え、故郷ニューヨークへと拠点を戻す決意を込めて制作した作品であり、彼のキャリアにおける転機と原点回帰を象徴する重要な楽曲です。
「Say Goodbye to Hollywood」は、彼自身が作詞・作曲を手がけ、タイトルのとおり“ハリウッドに別れを告げる”というテーマのもと、名声と孤独、夢と現実のはざまで揺れるアーティストの心情を描いています。ロサンゼルスでの商業的な環境に違和感を覚えたジョエルが、自分本来の音楽性を取り戻すためにニューヨークへ帰る決意を、切なくも力強く表現しています。
「Say Goodbye to Hollywood」は、1976年のアルバム版に続き、1981年のライブアルバム「Songs in the Attic(ソングズ・イン・ジ・アティック)「にも収録され、このライブ・バージョンがシングルとしてリリースされました。同年、Billboard Hot 100で最高位17位を記録し、ジョエルの初期代表曲のひとつとして広く知られるようになりました。ライブ版では、ボーカルの力強さとバンドの一体感が際立ち、スタジオ版とは異なる熱気が高く評価されています。この楽曲は、彼のキャリアを語るうえで欠かすことのできない、時代を超えて共感を呼び続ける名曲といえます。
