Get Back・The Beatles

【 学習ポイント・語尾の破裂音 】

英語の「p, t, k, b, d, g」は、破裂音と呼ばれ、語尾や文末、子音の前にあると破裂しないことがよくあります。ただし、破裂する準備の「閉鎖」はします。とりわけ無声の破裂音「p, t, k」が語尾や文末にあると直前の母音が急激に止まり、日本語の促音の「っ」に似た音になります。日本語でも最近は「寒っ」「高っ」などと言いますが、英語もこれと似た表現だと考えましょう。
この曲のタイトル「Get Back = ッ ーッ」が曲中で繰り返し出てきますが語尾の破裂音 / t, k / は、破裂せず閉鎖して歌われています。この閉鎖する破裂音の音を聞き取り、発音する練習をするといいでしょう。

「Get Back(ゲット・バック)」は「The Beatles」が1969年にリリースした楽曲で、彼らの最後のスタジオ・アルバム「Let It Be(レット・イット・ビー)」(1970年)に収録されています。ただし、シングルとしてはアルバムよりも先に、1969年4月11日にリリースされました。この曲は、ポール・マッカートニーが中心となって作曲したもので、当初はジャム・セッションの中で生まれた即興的な作品でした。歌詞は、当時のイギリス社会における移民問題や政治的風刺も含まれており、初期の構想ではもっと皮肉の効いた内容だったと言われています。
バックバンドには、ビートルズと親交のあったビリー・プレストンがエレクトリック・ピアノで参加しており、彼は唯一「The Beatles」の公式クレジットに名前が記されたアーティストとなりました(”The Beatles with Billy Preston”)。

「Get Back」は、全英・全米両チャートで1位を獲得し、世界中で大ヒットしました。The Beatlesにとって17曲目の全米No.1シングルとなり、彼らの黄金時代を締めくくる代表曲のひとつとして知られています。また、1969年1月30日にアップル本社の屋上で行われた伝説的な“ルーフトップ・コンサート”のラストナンバーとして披露されたことでも有名です。この演奏シーンは、後に公開された映画「Let It Be」や、2021年のドキュメンタリー「The Beatles: Get Back」(ピーター・ジャクソン監督)でもクライマックスとして取り上げられ、改めてその歴史的意義とパワーが再評価されました。

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