Ticket To Ride・The Beatles

【 学習ポイント・音の連結「ing」とフラップ】

子音で終わる単語の次に、母音や半母音 / j / で始まる単語が来て、それらが一つの意味の塊を成すとき、音の連結(リンキング)が起こります。現在進行形「ing」は、日本語で「イング」と記されます。しかし最後の「グ」は、破裂音ではなく鼻音の「ン」なのです。この曲には「ing」の語尾の鼻音が連結する「going away = ーイ ナェイー」,「bringing her = ブンギ ナ」や、フラップする「got a = ラ」,「ought to =  ラ」が返し出てきます。この連結する「ing」とフラップする音を聞き取り発音する練習をするといいでしょう。

1965年に主にジョン・レノンによって書かれた曲でボーカルもジョンである。日本語タイトルは「涙の乗車券」。歌詞は「ride」 がイギリスで性交を意味する俗語であることと、ジョン説明から「彼氏の元を離れて娼婦になる女性の話」という解釈が有力である。リリース当時は英米のヒットチャートで1位を獲得し、1969年にはアメリカのカーペンターズがカバーしてヒットした。
 発音の特徴は、サビの繰り返しにもある「She’s got a ticket to ride」に集約されている。先ず「She’s」は「She has」の短縮形で、普通は「シズ」 のように短く弱く発音されるが、この曲では長めに「シーズ」と歌われている。続いて「got a」は / t / が母音に挟まれて「ラ」となっている。「better」が「ラ」になるのと同じ理屈。そして「ticket to ride」では 句末や子音の前の / t / が破裂しないで「ケッ」,「ーイ」 と歌われている。その他、歌詞全を通して破裂しない破裂音が沢山聞ける曲となっている。

「The Beatles 1962~1966」は、通称「赤盤」と呼ばれ、ビートルズが1962年から1966年までに発表した楽曲から選ばれた26曲が収録されています。「Ticket to Ride(チケット・トゥ・ライド)」は、12曲目に収録されています。

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