英語の「p, t, k, b, d, g」は、破裂音と呼ばれ、語尾や文末、子音の前にあると破裂しないことがよくあります。ただし、破裂する準備の「閉鎖」はします。とりわけ無声の破裂音「p, t, k」が語尾や文末にあると直前の母音が急激に止まり、日本語の促音の「っ」に似た音になります。日本語でも最近は「寒っ」「高っ」などと言いますが、英語もこれと似た表現だと考えましょう。
この曲には、歌詞に「You say stop」,「You say goodbye」,「I don’t know」が出てきますが「stop の / p /」,「goodbye の / d /」,「don’t の / t /」は破裂しないため、音として聞こえません。「歌詞を見ながら歌う」のでなく、「歌手の発音を真似する」練習をしましょう。
私(湯舟)がポールの曲の中で5本指にはいる名曲だと認識する曲。その最大の理由は、非常にシンプルで深い歌詞(実際英語発音難易度は★1)と「You say doodbye and I say hello」に続く伴奏のシンプルなギターのメロディー「ドレミファ ソラシドー」のように聞こえる上昇メロディーに続くコード進行のドラマティックな凄さにある。また随所に感じるイギリス・ポップっぽい編曲も半世紀以上経っても色褪せない魅力を放っている。なお、ジョンは自分の挑戦的な曲「I Am the Walrusがこのシングル盤のB面に甘んじたことについて、気に食わなかったようだ。また音楽批評家も「Hello, Goodbye」について低評価を与える者も多かったが、当時サイケデリックやインド音楽など挑戦的、前衛的な曲想が増えていたビートルズの曲の中で、ポップソングど真ん中のこの曲を出した意味は大きい。
歌詞は「yes / no、hello / goodbye、stop / go」など相対する「物事の二面性」について書いた曲で、ポールはその上で「自分はいつも前向きな方に立っているんだ」というポジティブなメッセージが隠れている。
★1ということで、特に英語発音で気を付けることもなく、日本でも中学や高校の英語の授業で紹介する先生の話をよく耳にする。しかし、歌詞も音楽的にも非常に深くて普遍的な名曲中の名曲であることは間違いない。
「The Beatles 1967~1970」は、通称「青盤」と呼ばれ、ビートルズが1967年から1970年までに発表した楽曲から選ばれた28曲が収録されています。「Hello, Goodbye・The Beatles(ハロー・グッバイ)」は、9曲目に収録されています。